今回のテーマ:接続詞
- 英語の接続詞や接続副詞には種類があります。意味によって使い分けます。
- この記事では英語の接続詞・接続表現の使い方を、例文で網羅的に説明します。
- 接続の仕方を理解すると、文章の論理的な流れがつかめます。
英語の接続詞
接続詞の働き
接続詞(conjunction)を Cambridge Dictionary で調べると、次のように出てきます。
a word such as ‘and’, ‘but’, ‘while’, or ‘although’ that connects words, phrases, and clauses in a sentence
Cambridge Dictionary
語や句、節をつなげる働きです。つなげ方は語によって違い、多様な論理関係が示されます。
接続詞を使った文章は、長い文になりがちです。
スピーチやフォーマルな文章では大丈夫ですが、気軽な会話では短い文が好まれます。
等位・従位の違い
英語の接続詞には、2種類あります。
- 等位接続詞…文法上対等なものをつなげる。and, or, so など。
- 従位接続詞…一方が他方によりかかる。when, because, if など。
接続副詞との違い
接続詞と接続副詞は、使い方に違いがあります。
- 接続詞… and, or, but, that, when, because など。
- 接続副詞… also, then, however, otherwise, so, consequently など。
「りんごは好きだけど、バナナは嫌いです」は、次のようになります。
I like apples, but I don’t like bananas. 【butは接続詞】
文のなかに、butでつながれた2つの文があります。butの前のコンマはないときもあります。
I like apples. However, I don’t like bananas. 【howeverは接続副詞】
however の前の文にはピリオドがあります。however は2つの文を一つにまとめられません。
接続詞の使い方
等位接続詞の and と or
and と or
最も基本的な接続詞である and や or を見ましょう。
She stopped working and sat down on a bench.
訳 彼女は歩くのをやめて、ベンチに座った。
and は歩くのをやめて「から」ベンチに座ったというニュアンス。
Do your best, and you will succeed.
訳 最善を尽くしなさい、そうすればあなたは成功するだろう。
命令文に and がついて、「そうすれば」の意味。
Everybody fails once or twice.
訳 誰でも一度や二度の失敗はある。
or は「AかBのどちらか一つ」「AまたはB」。
Start at once, or you will miss the bus.
訳 早く出発しないと、バスを逃しますよ。
命令文に or がついて「そうしないと」の意味。
both, either, neither
both と either と neither の使い方を覚えましょう。
2つのものがあるとき、「両方とも」「どちらかは」「両方とも~でない」を表せます。
I like both Connor and James.
コナーとジェイムズの両方が好きです。
I like either Connor or James.
コナーとジェイムズのどちらかは好きです。
I don’t like both Connor and James.
コナーとジェイムズの両方が好きというわけではありません。
「両方が好きというわけではない」ので、「片方は好き」です。
I like neither Connor nor James.= I don’t like either Connor or James.
コナーとジェイムズのどちらも好きではありません。
これは「両方とも好きではない」を表します。
逆接「しかし」
but
前に言ったことに対して、逆のことを言うときに but を使います。
but は逆接を表す時に最も普通に使われる接続詞です。
I studied hard, but the exam was too difficult.
訳 一生懸命勉強しましたが、試験は難しすぎました。
This vacuum cleaner is small but very powerful.
訳 この掃除機は小さいが非常に強力だ。
Thank you, but I’m fine.
訳 ありがとう。でも結構です。
What you saw is not a dream, but a reality.
訳 あなたが見たのは、夢ではなく現実です。
however
however は少し硬い感じの接続副詞。
It can, however, vary according to the characteristics of the region.
訳 ただし、地域の特性によって異なることもありうる。
I didn’t imagine the dream came true. However, I own my car.
訳 夢が叶うとは思っていなかった。しかし、今では自分の車を所有している。
yet
yet は「まだ」だけではなく、「しかし」の意味の接続詞にもなります。
He wasn’t able to make his living, yet he got a huge break later.
訳 彼は生活が成り立たなくなってしまったのに、後に大チャンスをつかみました。
譲歩「~だけれども」
逆接との違い
逆接は、単純に「AとBが反する内容」であることを示します。
譲歩は、「Aである事実は認めるけれども、Bなのです」と主張する形です。
譲歩の though
Though she is said to be so kind, she wouldn’t do that far.
訳 彼女はとても優しいと言われていますが、そこまではしないでしょう。
though と although は「~だけれども」、すなわち譲歩を表します。although は硬めの表現。
He bought the book on impulse though it was expensive.
訳 その本は高かったけれども、彼はそれを衝動買いした。
I finally accepted the result. It was hard to do so, though.
訳 私は最終的に結果を受け入れた。そうすることは困難だったが。
though は文末に置いてもOK。althoughはその使い方はできません。
He wouldn’t answer even though I asked over and over again.
訳 私は何度も何度も尋ねたけれども、彼は答えなかった。
thouh を強調したものが even though 。
Even though I decided to lend him the pen, I changed my mind today.
訳 彼にペンを貸すと約束したにもかかわらず、今日は気が変わってしまった。
whether
You will succeed whether you choose another option or not.
訳 別のオプションを選択するかどうかに関係なく、あなたは成功します。
whether は「~であろあとなかろうと」。
still
The boy cried and shouted. Still, his mother pulled his hand.
訳 少年は泣き叫んだ。それでも母親は彼の手を引いた。
still は「それでも変わらず」「にもかかわらず」。
all the same
I insisted on going there. All the same, my boss opposed.
訳 私はどうしても行きたかった。それでも上司には反対されてしまった。
all the same は「それでも何も変わらず」「にもかかわらず」。
even so
No doubt you deserve praise. Even so, don’t be conceited.
訳 間違いなくあなたは賞賛に値する。それでも、うぬぼれてはいけません。
even so は「たとえそうであっても」。
indeed ~ but
The path will indeed be dangerous at night, but I know you’ll be fine.
訳 確かに夜道は危険ですが、あなたなら大丈夫です。
indeed ~ but は「確かに~だけど、~です」。
indeed の代わりに、certainly や it is true (that)になることもあります。
nonetheless
There are obstacles in front of me, but I will keep it up nonetheless.
訳 目の前には障害がありますが、それでも続けていきたいと思います。
nevertheless も同じ意味の副詞と解して差し支えありません。
対比「一方」
対比の接続詞として while, whilst と whereas が使われます。
while
We kept arranging the meeting while some reported their absence.
訳 何人かが欠席を伝えるなか、私たちは会議の手配を続けた。
while は although や in spite of (にもかかわらず)のニュアンスです。
whilst
This applies to special cases, whilst the following applies to all ones.
訳 これは特殊なケースに適用され、一方、以下のものはすべてのケースに適用される。
whilst は while と同じですが、硬いニュアンスがあります。
whereas
The old book itself has no damage, whereas the cover is partially torn.
訳 古書自体にはダメージはないが、カバーは一部破れている。
whereas は on the other hand (一方)のニュアンスです。
ちなみに、while は次の記事でも触れています。
条件「もし~ならば」
条件の if
If you have a lot of apples, can I have one of those?
訳 リンゴがたくさんあるなら、そのうちの1つをいただけますか?
if は「もし~ならば」という条件を表します。
If you don’t mind me/my asking, how old are you?
訳 お尋ねしても構わないなら、あなたは何歳ですか?
If I were you, I would explain what happened.
訳 もしあなたが私だったら、何が起きたか説明しますが。
Don’t open the door even if someone knocks.
訳 誰かがノックしても、ドアを開けてはいけない。
「たとえ A でも」のようにAが極端な条件を表すときは、even if で表します。
同じ意味を no matter 疑問詞, 疑問詞+ever で表すこともできます。
I don’t know if you remember me.
訳 あなたが私を覚えているかどうか、わかりません。
この if は「~かどうか」の意味。
as long as
You can use equipment at the park as long as your mother is here.
訳 お母さんがここにいる限り、公園で遊具を使うことができます。
as long as は「~しているあいだは」。
suppose と providing
Suppose there is a flood in this area, what should we do to survive?
訳 仮にこの地域で洪水が起きた場合、生き残るためにはどうすればいいのか。
suppose(supposing)を使って条件を表すことができます。
Providing what she said was true, we will get a cue to solve mysteries.
訳 彼女の言葉が真実であれば、私たちは謎を解く手がかりを得ることができます。
providing(provided)でも条件を表せます。
unless
He won’t do such a thing unless he forgets the rules.
訳 ルールを忘れない限り、彼はそのようなことをしません。
unless は「~でない限り」という意味です。
「そうでなければ」
Don’t push the box of cake, or else the cake will lose shape.
訳 ケーキの箱を押さないでください。そうでないと、ケーキの形が崩れます。
or else は「そうでなければ」。or を else で強調した形です。
Turn off the faucet before you work. Otherwise, water will spout.
訳 作業前には蛇口を閉めましょう。そうしないと水が噴き出してしまいます。
otherwise も「そうでなければ」。
目的「のために」
so that
I will buy food for 5 days so that we can survive the typhoon.
訳 台風を乗り切れるように、5日分の食料を買うつもりだ。
so that はくだけた言い方です。
I’ll make copies of these documents so that I won’t lose them.
訳 紛失しないようにこれらの書類はコピーを取ります。
「~しないように」のよくある表現は so that ~ not です。
in case
Let’s put away the stuff in case it gets windy.
訳 風が強くなった場合に備えて、物を片付けましょう。
この in case は「~の場合に備えて」「~するといけないから」。
Please contact us in case it doesn’t work.
訳 万が一動作しない場合はご連絡ください。
この in case は「~の場合は」。
in order that
My wife cleans the gate in order that the guest feels welcomed.
訳 お客さまを歓迎するために、妻が玄関を掃除します。
in order that は少し文語的です。
否定の目的
文語的な言い方を 2 つあげます。
We should exchange in the written form for fear that they will hear us.
訳 彼らに聞かれるといけないから、文字でやりとりするべきです。
for fear that は「~することをおそれて」「~しないように」。
It is wise for you to inspect your car lest it should get broken down.
訳 車が故障しないように点検しておくのが賢明だね。
lest ~ should は「~しないように」の意味で、これも硬い表現。
原因や同時性
原因・理由の because
原因や理由をはっきり示したいときには、because が使えます。
because > since > as の順に原因と結果の結びつきが強くなります。
I may make a mistake because I haven’t done it for ages.
訳 長い間やっていないので、間違えるかもしれません。
Just because he is alone, it doesn’t follow he is unhappy.
訳 彼が一人でいるからと言って、彼が不幸だということにはなりません。
just because ~ it doesn’t follow/mean で「だからと言って~にはならない」の意味。
同時性の as
as の基本的なイメージは「イコール(同じ)」です。意味はすべてここから派生しています。
The phone rang as I was leaving.
訳 私が出かけるとき、電話が鳴った。
この as は「~のときに」「~と同時に」。同時性を示します。
As I get older, my belly seems to be getting bigger.
訳 年を取るにつれて、お腹が大きくなってきているようです。
この as は「~につれて」の意味。同時進行を表します。
As it was getting dark, we hurried up.
訳 暗くなってきたので、私たちは急いだ。
この as は「~なので」。原因・理由を示します。
As I mentioned earlier/before, this product has the best performance.
訳 前にも申し上げましたように、この製品は最良の性能を発揮します。
この as は「~のように」。
他にもある接続表現
anyway, in addition など
anyway
anyway の使い方を整理します。
Anyway, I’ve got to go now.
訳 とにかく(いずれにしても)もう行かなきゃ。
Anyway, what are you going to do tomorrow?
訳 ところで、明日の予定は何ですか。
話題を変えるときに用います。so や by the way と同様の意味です。
補足
You may do it any way you like.
訳 どんなふうにでも好きにやっていいです。
any way と離すと「どんな方法でも」の意味。
So how about dinner tonight?
訳 ところで、今夜夕食はどう?
so が「ところで」の意味で使われる例。
つけ加え
She is diligent. In addition, she is honest.
訳 彼女は勤勉だ。加えて正直だ。
The land is rich in natural gas. Moreover, it has several wetlands.
訳 この土地は天然ガスに恵まれている。さらに、いくつかの湿地帯がある。
まとめ・言い換え
前に言ったことを簡潔にまとめ、あるいは言い換えます。
In short, it was a failure.
訳 つまり、それは失敗だった。
In other words, I’m lazy.
訳 言い換えれば、私は怠け者だ。
The point is, which man do you believe?
訳 要は、どちらの男を信じるのか?
He left two days later, that is on Friday.
訳 彼は2日後にいなくなった。つまりは金曜日だ。
事実・真実を示す
本当のことを打ち明ける表現を見ていきます。
Actually, I hate insects.
訳 実は、虫が嫌いです
The truth is, he broke the window.
訳 真実は、彼が窓を割った。
As a matter of fact, she is my little sister.
訳 事実、彼女は私の妹です。
To tell the truth, I’ve never been to Hokkaido.
訳 本当のことを言うと、北海道に行ったことがありません。
To be honest, I don’t know what happened.
訳 正直なところ、何が起きたのか知りません。
つなぎ言葉の使い方
会話中によく使われるつなぎの表現 (filler) があります。
日本語で言うと「えー」「えーと」の感じです。
次に続く言葉がうまく出ないときに、時間を稼いで考えられます。
一語
Uh.
訳 えー。
Well.
訳 えーと。
二語以上
Let me see.
訳 えーと(私に考えさせて)。
You know.
訳 ねえ。ほら。なのね。
What should I say? / How can I say?
訳 何て言ったらいいか…/どう言えばいいか…
接続の理解を深める
連結関係
and という等位接続詞は「連結」の関係を表します。関連記事があります。
因果関係
因果関係を表す英語表現は、次の記事にまとめました。接続詞にも触れました。
名詞節を導く
名詞節を導く that や形容詞に続く節を導く that は、次の記事にまとめました。
論文用の接続詞
論理的な表現が活躍する場の典型に、論文があります。
論文に現れる硬い接続詞は、論理展開を示す重要なものです。会話調の接続詞は使われません。
このブログでも、次の記事で論文表現を解説しています。
豆知識
albeit を知っていますか?
albeit
意味 にもかかわらず(接続詞)
Reality is merely an illusion, albeit a very persistent one.
現実とは幻想にすぎない、非常にしつこいものではあるが。
アインシュタインの言葉です。
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まとめ
接続詞や接続副詞の論理的意味に着目しましょう。
文章の流れをつかむためには、接続表現の理解が欠かせません。
複雑な文章を理解するだけでなく、自分のまとまった意見も伝えましょう。
さらに勉強したいあなたのために、一語から数語の言葉から成る接続表現を例文つきで詳述する本を紹介します。この本のパート3の部分が接続表現の部分です。著者の大西泰斗先生は有名人です。