今回のテーマ:因果関係の表現
- この記事では「原因→結果」の論理関係を表す英語表現を学びます。
- ものごとの原因や根拠を示すことで、説得力のある話ができます。
- 英語の構文のなかに隠れた因果関係を見つけると、意味がはっきりします。
因果関係と英語表現
論理的に説明することは、ビジネスの会議や学術的な論文などでは重要視されます。
原因や根拠を明確に示すことも、説明に説得力を持たせる方法の一つです。
その際の言い回しを、整理して見ていきます。
接続詞+文
「AだからBだ」「それは~だからだ」など論理的な因果関係を表現したい場合があります。
Why ~? と聞かれたときには、返答には because を使うのが基本です。
Because the train was 30 minutes late.
訳 電車が30分遅れたからなのです。
また、so で「だから」の意味を示せます。
She studied hard so she passed the exam.
訳 彼女は一生懸命勉強したので、試験に合格した。
as や since でも理由を表せます。
The printer is now moving as the mechanical staff has repaired it.
訳 機械スタッフが修理したため、プリンターは現在動いている。
We will not be in trouble since the water supply is abundant.
訳 水の供給は豊富なので、困ることはない。
群前置詞+名詞
「~のせいで」「~のおかげで」「~の理由で」のように、文に理由をつけ足す表現もあります。
理由が名詞の場合は、基本的なものに because of, due to などがあります。
それぞれにニュアンスの違いがあります。
I didn’t go out because of the rain.
訳 私は雨のため出かけなかった。
because of は最も普通に使われます。because of の後は名詞です。 because の後には文が来ます。
The bus was delayed due to heavy snow.
訳 大雪のためバスが遅れた。
due to もよく使われます。フォーマルな感じです。
We got lost on account of a lack of information.
訳 私たちは情報不足のために道に迷った。
on account of もフォーマルですね。
Thanks to her help, I was able to finish the work.
訳 彼女のおかげで、私はその仕事を終えることができた。
thanks to はポジティブな原因に使われます。皮肉っぽくネガティブな原因に使うこともあります。
不定詞
I’m so thrilled to hear about your new plan.
訳 あなたの新しい計画を聞いて、とても感激しています。
to 不定詞を置いて「感情の原因」や「判断の根拠」を示す場合。
動詞+前置詞 for
賞賛や非難の理由を示す for の使い方を覚えましょう。
thank ~ for
Thank you for your cooperation.
訳 ご協力ありがとうございます。
感謝する理由を for で示します。
be known for
This district is internationally known for its beautiful scenery.
訳 この地方は、美しい風景で世界的に知られている。
この文では、有名である理由を示しています。
praise ~ for
He was praised for his unique research.
訳 彼は独創的な研究を賞賛された。
賞賛の理由。
blame ~ for
They blamed me for the accident.
訳 彼らは事故を私のせいにした(事故のことで私を非難した)。
非難の理由。
That’s because と That’s why
That’s because と That’s why の使い分けを覚えましょう。
前に語った内容の理由や結果を示す表現です。
That’s because
That’s because the roads were busy.
訳 それは道が混んでいたからです。
That’s becauseの後には原因が来ます。「それは~だからです」。
That’s why
That’s why I told you.
訳 だから言ったでしょ。(それ見たことか)
That’s whyの後には結果が来ます。「そういうわけで~です」。
The reason is that
The reason is that there are a few concerns about the plan.
訳 というのも、計画にはいくつかの懸念があるからです。
The reason is that で「理由は~だからです」。
The reason being, もビジネス英語(話し言葉)では使われます。
因果の意味と動詞表現
因果を示す動詞
1語の基本的なもの
This kind of remark causes a lack of customers.
訳 このような発言は客足が遠のく原因となる。
cause は「~の原因になる」。
His outstanding fabrics helped to attract the attention of passers-by.
訳 彼の目立つ生地により、通行人の注目が集まった。
help は「役立つ、促進する」。
Positive reactions followed his earnest efforts.
訳 彼の熱心な努力に好意的な反応が続いた。
follow は「あとに続いて起きる」。
2語の基本的なもの
The idea brought about reverse result.
訳 このアイデアは逆の結果をもたらした。
bring about は「もたらす」。
Their solid relationship comes from mutual trust.
訳 彼らの強固な関係は、相互の信頼関係から生まれている。
come from で「~から来る」「~に由来する」。
This rule is based on the major incidents occurred in a row.
訳 このルールは、立て続けに発生した重大事件に基づいている。
be based on は「~に基づいている」。
This mistake seemed to stem from the pile of wrong deeds.
訳 この過ちは、間違った行いの積み重ねに起因しているようだった。
stem from は「~から発している」。
stem は「茎」や「幹」の意味で、それが動詞になった形です。
The fog led to the suspension of several trains.
訳 霧のため、数本の列車が運休した。
lead to は「導く、つながる」。
Fragile packaging resulted in damage to contents.
訳 壊れやすい包装のため、中身が破損しました。
result in は「~の結果になる」。
Whether he accepts your proposal depends on your enthusiasm.
訳 彼があなたの提案を受け入れるかどうかは、あなたの熱意にかかっている。
depend on は「~に依存する」。
Don’t attribute everything to his carelessness.
訳 何でもかんでも彼の不注意のせいにしてはいけない。
attribute A on B は「AをBのせいにする」「AをBのおかげと考える」。
無生物主語と使役動詞
使役動詞のイメージは「Sが~に~させる」です。
無生物主語の場合、「~により」と原因であることを示して和訳することがあります。
This room makes me nervous.
訳 この部屋は、私は不安を感じる。
make は無理やりそうさせるイメージ。
Their support keeps me going.
訳 彼らのサポートにより、私は前進を続けられる。
keep は保ち続けるイメージ。
This stopper holds the door open.
訳 このストッパーにより、ドアは開いたままになる。
hold は押さえて保つイメージ。
This society leaves them isolated.
訳 この社会により、彼らは孤立したままである。
leave は放置するイメージ。
The card let them enter the warehouse.
訳 そのカードで彼らは倉庫に入った。
let は許可するイメージ。
Picasso’s work inspired him to draw freely.
訳 ピカソの作品に触発され、彼は自由に絵を描くようになった。
inspire はやる気を起こさせるイメージ。motivate も同じ意味になります。
他の無生物主語の表現のバリエーションは、次の記事に書きました。
「してもらう」の表現
She had the doctor look at her arm.
訳 彼女は、医者に腕を診てもらった。
have は、してもらうのが当然な行為に使います。
I got him to wash my car.
訳 彼に車を洗ってもらった。
get は相手を説得して何かをしてもらう場合に使います。
「影響」「作用」のイディオム
影響や作用を及ばす意味のイディオムで、よく見かけるものをあげていきます。
How does voice strength work on impression?
訳 声の強さは印象にどのように作用するのか?
The climate may have played a role in the runner’s finish time.
訳 気候が走者の完走タイムに影響したのかもしれない。
The director’s nature had an impact on the team.
訳 監督の性格はチームに影響を与えた。
The color of the clothing has an effect on the attack of the bees.
訳 衣服の色はハチの攻撃に影響を与える。
What has an influence on customer acquisition?
訳 顧客の獲得に影響を与えるものは何か?
豆知識
「引き金」を用いた表現。
be triggered by
意味 ~を契機として起こる
His company’s crisis was triggered by a severe recession.
彼の会社の危機は深刻な不況によって引き起こされました。
trigger は「銃の引き金」。
何かよくないことが起きるときに be triggered by が使われます。
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まとめ
Why?と聞かれて、単に原因を指し示す場面もあります。
さらには、「なぜそうなるのか」をエビデンスを示して論理的に説明する場面もあります。
たとえば、初めに結論を、次の文で理由を、最後に結論を述べるまとめ方もあります。
そんなとき、ここに集めた表現が役に立つでしょう。
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