今回のテーマ:助動詞
- 助動詞は will, can, may, must 以外にもあります。
- この記事では、難易度が高めの英語の助動詞の使い方を例文で示します。
- 具体的な例文のなかで、多様な助動詞の使い方を学びましょう。
英語の助動詞とは
will, can, may, must などは、よく使われる基本助動詞です。
英語の助動詞は動詞の原形の前に置かれ、意味をつけ加えます。
動詞に「可能・必然・義務」などの意味を添えるものを法助動詞といいます。
それ以外にもあります。
- 完了形を作る have
- 進行形・受動態を作る be
- 疑問文・否定文を作ったり強調したりする do
難易度高めの助動詞
今回は、難易度が高めの法助動詞の使い方を例文で見ていきます。
shall
It’s already this time. Shall we start?
訳 もうこんな時間になってしまいました。始めましょうか。
Shall we ~ は「一緒に~しましょうよ」と提案するときに使います。
Shall I get you a wheelchair?
訳 車椅子を用意しましょうか?
Shall I ~ だと「~しましょうか」と自分が何かをする時に使います。
I shall be back by the end of this month.
訳 今月末までには戻るつもりでございます。
I shall もフォーマルです。
should
基本的な使い方
You should take this medicine three times a day.
訳 この薬は1日3回飲む必要があります。
should は「~すべき」「~のはずだ」。
Should I submit another paper on top of the previous one?
訳 前の論文のほかに別の論文を提出すべきでしょうか?
Why should you lose the game?
訳 一体なぜあなたが試合に負けるだろうか?(負けるはずがない)
疑問詞を使う疑問文の中で should が使われると、「一体」の意味。
特定の語との結びつき
形容詞の場合
It is surprising that you should have built a bench so easily.
訳 こんなに簡単にベンチを作ってしまうとは驚きですね。
surprising などの感情を表す語句とともに should が使われます。
It is important that they should find their way.
訳 彼らが自分の道を見つけることが重要なのです。
important などの判断を表す語句とともに should が使われます。
動詞の場合
提案、推薦、要求のために使う動詞があります。
それらの動詞の後に続くthat節には、should+動詞原形または動詞原形のみが使われます。
命令の意味合いが入っています。
I proposed that she (should) assert her right on that matter.
訳 私は、彼女がその問題について自分の権利を主張すべきだと提案しました。
I suggested that the building (should) be restored.
訳 そのビルは復元したほうがいいと、私は提案した。
I recommended that he (should) go to the amusement park.
訳 彼にその遊園地に行くことを勧めた。
I requested that he (should) come here again tomorrow.
訳 彼に明日またここへ来るように言った。
need
You needn’t make them by hand anymore.
訳 もう手で作る必要はありません。
この need は助動詞。「~する必要がある」を表し、おもに否定文と疑問文で使います。
肯定文だと、たとえば need to make のように一般動詞の need を使います。
used to と would
I used to take a shortcut through the woods, but now I don’t.
訳 森の中を近道していましたが、今はしません。
used to は「今はしていないけれど、以前はよく~した」「以前は~だった」。
現在と対比する意識があります。
There used to be a botanical garden near here.
訳 以前はこの近くに植物園があった。
I would often go to that shop when I was in high school.
訳 高校生の頃は、よくそのお店に行っていました。
would でも「よくやっていた」を表せますが、現在と対比する意識はありません。
would rather
I would rather have a hot curry than a mild one.
訳 甘いカレーより辛いのを食べたい。
would rather は「~するほうがよい」「むしろ~したい」。
I would rather be his student than be his teacher.
訳 私は彼の先生になるよりも、彼の生徒になりたい。
had better, had best
had better は「~しないと!」。気軽な意味ではなく、「~しないとマズい」の強い意味です。
命令口調なので使い方に気をつけましょう。
You’d better bring a stretcher at once.
訳 すぐ担架を持ってきて。
You had best use a double-glazed window.
訳 窓は二重ガラスにしたほうがいい。
had best は「~するのが一番良い」です。
be supposed to
be supposed to は「~することになっている」。
We are supposed to cover for you when you are sick.
訳 あなたが病気になったときは、私たちがカバーすることになっています。
You are not supposed to take a photo on this floor.
訳 このフロアでは、写真を撮ってはいけないことになっています。
may well
It may well be broken because there are cracks at the bottom.
訳 底にひびが入っているので、壊れているんだろう。
may well は may よりも確信度の高い推量を表します。
A small gift may well be the better option.
訳 ささやかな贈り物の方がいいのでは。
might as well
The weather won’t be good, so you might as well cancel the fishing.
訳 天気が良くないだろうから、釣りはキャンセルしたほうがいいんじゃないか。
might as well は「~したほうがいいのでは」の意味。
ought to
Sales clerks ought to speak in a smiling tone.
訳 店員はにこやかな口調で話すべきです。
ought to は should とほとんど同じ意味です。否定形は ought not to 。
dare
助動詞の dare は「~する勇気がある」「あえて~する」の意味を表します。
否定文と疑問文で用いられることが多いです。
I dare not force them to study in that way.
訳 私はあえて、彼らにそのように勉強することを強制しません。
Dare you jump into the sea from the burning ship?
訳 燃えている船から海に飛び込む勇気があるか?
have got to
イギリス英語です。 have to と同じ意味です。
He has got to leave for the airport at seven tomorrow.
訳 彼は明日の7時には空港に向かわなければならない。
You have got to be tired.
訳 あなたは疲れているはずです。
これは「~にちがいない」。have to にもこの意味がありますね。
豆知識
will と be going to の違い
will はその場の思いつき
be going to は前から決めていたこと
「それは最高でした」を英語にすると?
It couldn’t have been better.
最高だった。
「これ以上、よくなれなかっただろう」から「最高だった」の意味になります。
It couldn’t be better. だと「最高だ」と、現在のことを表します。
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まとめ
助動詞は動詞の一種で、バラエティーに富んでいます。
基本的な助動詞以外にも、面白い助動詞があることが理解できましたか?
マスターすれば、動詞にもっと多様な意味を追加できます。
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