※記事内にプロモーションを含むことがあります。
心理学と英語

社会心理学に関する英語-認知的不協和・同調圧力など

談笑
この記事は約7分で読めます。
 
オリジナル例文で学ぶ総合英語
執筆:臨床心理士 本橋英之
  • 社会の中の個人、あるいは社会現象には、どんな心理が現れるのでしょうか。
  • この記事では社会心理学の諸理論に関するキーワードを集めました。
  • 社会心理学は認知心理学と関係があります。また、集団と個人の視点も大切です。

社会心理学のキーワード

社会心理学には、多様な研究分野があります。ここでは、社会心理学の諸理論に関するキーワードを含む英語例文を作りました。「例文」「和訳」「解説」の順になっています。

参考資料 :

印象形成 Impression formation

This is the process of creating an overall impression from partial characteristics about another person. Central characteristics have a particularly larger impact on the process than other ones. The order in which the characteristics are presented also affects how the process is.

訳 これは、他人の部分的特徴から全体的的印象を作り出すプロセスです。中心となる特徴は他の特徴に比べて、このプロセスにとくに大きな影響を与えます。また、特徴を提示する順番もプロセスの様相に影響します。

諸情報を統合して相手がどんな人なのかを推論する対人認知を、印象形成といいます。たとえば、中心特性と言われる「あたたかい」「つめたい」といった特性語は、印象形成に及ぼす影響が大きいことがわかっています。

帰属 Attribution

People infer why a person’s behavior or an interpersonal event happened, and identify the cause. These attributional styles are often evaluated using the internal-external dimension, the stable-unstable dimension, and the global-specific dimension.

訳 人々は、ある人の行動や対人関係の出来事が起きた理由を推論し、その原因を特定する。これらの帰属スタイルは、内的・外的次元、安定的・不安定的次元、全体的・特定的次元などで評価されることが多い。

帰属とは、原因を何に求めるかということです。attributional stylesとは、たとえば何かに失敗した場合、その原因を、先天的能力の欠如・努力不足・課題の難しさ・運の悪さなどのどれに求めて説明するかを意味します。

認知的不協和 Cognitive dissonance theory

Festinger advocated the theory that people have a fundamental motivation to maintain consistency among elements in their cognitive systems, and inconsistent cognition brings discomfort to people.

訳 フェスティンガーは、人には認知システムの要素間で一貫性を保ちたい基本的動機があり、相容れない認知は人に不快感を与えるという理論を提唱しました。

consistency は「一貫して矛盾がないこと」。たとえば、「自分はタバコが好き」「タバコは健康によくない」という2つの認知は不協和な関係にあり、この不快感を低減する理屈をあれこれ考え出そうとする例があります。

確証バイアス  Confirmation bias

Confirmation bias is the tendency to focus on information that confirms our existing beliefs and to close our eyes to information that is inconsistent with our expectations. It contributes to the formation of stereotypes.

訳 確証バイアスは、私たちの既存の信念を確証する情報に焦点を合わせ、期待にそぐわない情報に目を閉じる傾向です。それはステレオタイプの形成に貢献します。

stereotype は「先入観・固定観念・偏見」です。確証バイアスとは、自分の考えに合う情報だけを見て、都合の悪い事実を無視することを指します。

同調圧力 Peer pressure

When everyone else expects you to behave in a certain way, you may feel the pressure to conform to their expectations. Peer pressure has a positive socialization value but may also have a negative influence on health.

訳 周りの人が自分にある種の行動を期待していると、自分もその期待に応えるべきというプレッシャーを感じるかもしれません。同調圧力は社会化にプラスの価値がありますが、健康にはマイナスの影響を与える可能性があります。

集団のなかの多数が支持している考え方に反する意見を持っていても、他に従うように心理的圧力がかかることがあります。自分をおさえて同調すると、心身に負担をかけるときもあるかもしれません。

集団思考 Groupthink

Sometimes group decision-making reaches conclusions that are inferior to individual decision-making. This tends to occur when the group is highly cohesive and no outside information is available.

訳 集団の意思決定では、個人の意思決定に比べて劣る結論を出すことがあります。これは、グループの結束力が高く、外部情報が得られない場合に起こりがちです。

複数の人が合議などを行って合意形成することを、集団意思決定 group decision-making といいます。集団思考は、集団意思決定の的確性を阻害するものの一つとして知られています。

社会的ジレンマ Social dilemma

When individual acts only for his or her interests, the interests of the group are undermined, which eventually reduces the interests of the individual.

訳 個人が自分の利益のためだけに行動すると、集団の利益が損なわれ、最終的には個人の利益が低下します。

dilemma とは「好ましくない二者択一を迫られる板ばさみ状態」のこと。社会的ジレンマの一例として、トイレットペーパーの生産が不足している状況があります。その状況で私利私欲に目がくらんで買い占めをすると、品不足が加速し値上がりしてしまいます。

関連性の高い記事

まとめ

社会心理学で見聞きする基本キーワードの一部を見てきました。

言葉の意味を正確に説明し、例となる具体的な社会的場面もイメージできるよいでしょう

社会心理学は身近な事実と密接に結びついています。