- 長い英語学習の過程で、多くの学習者が抱きやすい感情があります。
- この記事では、3つのネガティブ感情、「焦り・退屈・孤独」に焦点をあてます。
- それらに対して、どう考えて対処していくか私なりに基本を整理しました。
学習過程で出会う感情
はじめて英語のテキストを開いて学習を開始し、ある程度の英語力がつくまでの道のりはふつう長いものです。
人によっては、果てしなく感じて茫然自失してしまう場合もあると思います。実際のところ、何年かかるかは目標設定のレベルや取り組み方などの違いによって変化しますが。
その勉強の道のりでは、誰しも多様な感情を経験するものです。
今回は、ネガティブとされる3つの感情、「焦り」「退屈」「孤独」に焦点をあてます。
それらの感情が湧いてきて、学習が思うように進まないときはどうしたらいいでしょう? 私の場合、どう考え行動してきたかを次の項目から書いていきます。
焦りへの考え方と対処
英語と日本語はかけ離れた言語
英語の勉強では、長い道のりのなかで期待した通りの成果が出ないことはよくあります。
勉強が得意に見える人でも、たいてい何らかの挫折体験はあると思います。全員がその体験を大っぴらに語るわけではありません。他人から見ると順調に見えます。
たしかに、語学の天才と言われるような才能の持ち主なら別かもしれません。ところが、ふつうの人はそうはいきません。
他の分野でも言えますが、英語学習を続けていれば、スランプは必ずあると考えましょう。
世界の言語を比較すると、英語と日本語はかなりかけ離れた言語と言われています。
日本人にとって、英語の学習が難しいのは当然です。
英語と似た言語を母国語とする外国人が英語を学ぶ場合とは、まったく事情が違うのです。
日本人が英語を学ぶことは「思ったより険しい山を登ろうとしている」と考えたほうがいいかもしれません。たとえ目標のレベルが違っても、攻略するためには「試行錯誤」や「取り組み方の工夫」が必要になってきます。
短期間で成果を出したい気持ち
学習法や教材のキャッチフレーズに、「短期間で成果が出る」というのがありがちです。
たしかに、よく作られている教材を使えば効率的に勉強できるのも事実です。
しかし私の場合、実際の学習はおおむね、地味な努力の繰り返しです。
早く上達したいと焦る気持ちは、当然ありますよね。私もそうです。ただ、実際に学習に取り組んでいると、気長にやること・待つことの大切さをいつも感じさせられます。
勉強は、そもそも継続する意欲すら出てこない場合もあります。同じ教材だけを使っていると、どんなに忍耐強い人でも飽きてきます。
自分の学習が停滞しているときに、周りの人が結果を出しているのを目にすると、焦りや落ち込みが出やすいです。ときには英会話で恥をかくような経験もあります。なかなか大変です。
「急いては事を仕損じる」と言いますね。焦りは、空回りや判断ミスを生み出し、自分に釣り合わない目標を立てたり、安易な学習法に飛びついたりする原因にもなります。
むしろ、実現可能な計画を立てて、一歩一歩着実に進むほうが結局早く目標に到達できます。
- 目標があいまい、または多すぎる場合は、明確な目標を一つだけ作りましょう。
- 最終目標が遠い場合は、道のりを何段階かにわけて、短期の目標を作りましょう。
- 目標達成までの期間が短すぎる場合は、無理のない期間に計画し直しましょう。
直線的に結果に至るわけではない
学習の成果は、必ずしも直線的に上昇していくイメージではありません。
停滞や逆戻りをしながら、長い目で見て上昇するものです。3歩進んで2歩下がる感じです。
いつも平坦な道のりではありませんが、継続できれば忘れたころに必ず結果はついてきます。
そもそも本当にスランプなのか疑わしい場合もあります。自分のなかで悲観的に考えすぎている場合があります。思い込みには注意しましょう。
昔の自分の英作文を読み返してみましょう。以前と比べれば、成長を感じられるかもしれません。主観的にスランプと感じても、客観的に上達しているのです。
ちなみに、私のTOEIC学習の道のりは次の記事に書いてあります。
退屈への考え方と対処
視野を広げて気分転換
学習が同じことの繰り返しで新鮮味が感じられない。
これは日本語ではマンネリズムと言われます。英語では stuck in a rut です。
ある程度学習体験が積み重なって、知識どうしがつながってこないと面白くならないとも言えます。しかし、かなりの学習体験があっても、退屈になるときはあります。
そういう停滞に陥っている場合は、気分転換が必要です。
基本的な対処の考え方は、自分が「狭い範囲で堂々巡りをしていないか」と考えて、視野を大きくしましょう。
- リーディングばかりだと気づいたら、リスニングもしましょう。ライティングやスピーキングを軽視していませんか? 四技能それぞれに違った面白さがあります。
- 音読をしたことがない人は、試しに取り組んでみるのもいいです。
- 基礎的な文法や単語の学習に、見落としている点があるかもしれません。
場所や教材を変える方法
自室だけで勉強していると気づいたら、部屋を変えます。
また、外へ出かけて喫茶店・図書館・自習スペースなどで勉強してみましょう。
アウトドアでも学習できます。公園のベンチでリスニングができます。
ちなみに、歩きながら英語を聞く方法は、この記事です。
また、洋楽、洋画、海外ドラマ、外国人のYoutube動画などに触れるのもいい刺激です。
私はなにげなく幼児用の英語の絵本を買って、知らない表現に出会って驚きました。
外国の文化に触れることも、広い意味での英語学習です。
お休みが取れ、予算的に可能な人は、海外旅行もおすすめです。本物の英語を体験できるチャンスです。これは、ほんとうにモチベーションを上げてくれます。
英語をすっかり忘れる
どうしてもやる気が出ない。そんなときは、メンタル面や体調面が大丈夫か考えましょう。
英語はすっかり忘れて、別のことに没頭するほうが近道の場合もあります。英語だけに偏った生活は、かえって学習が非効率的になりがちです。
何をやっても駄目な時期もあります。ジタバタせずに好機が来るのを待つしかありません。
その場合、英語以外の仕事をかたづけてから、再び英語学習に戻って来ます。そうすると、また新鮮な気持ちで英語と向き合うことができます。
孤独への考え方と対処
情報交換しながら勉強
勉強というのは、基本的に孤独なものです。
ただ、一人でいることが好きな人でも、勉強仲間がほしいと思うときはあるでしょう。さびしくなったときは、仲間どうしの情報交換や、一緒にレッスンを受けることもおすすめです。
- 私の場合、英会話学校のグループ授業は、人に恵まれ非常に楽しい体験でした。
- ネットで検索して、面白そうな英会話カフェに顔を出してみたこともあります。
- X(旧Twitter) には英語上級者や英語マニアのいわゆる「英語垢」があります。自分一人では気づかない視点に気づけます。コツの一つは、ほんとうに日々英語を学んでいる人とつながることです。
結果を出している人・楽しんで学習している人のやり方をまねると、スランプから脱出できることがあります。
仲良くなったら、お互いの学習結果も共有します。達成目標など仲間に決意表明することで、やらざるを得ない雰囲気を作っていけます。
勇気を出して他の英語学習者と関わってみましょう。
上級者との関わりを持つ
「井の中の蛙」にならないことも大切です。
世の中には上には上がいます。プロの教師や翻訳者、通訳者など上級者の世界を覗いてみることは刺激になります。将来の目標設定をするうえでも役に立ちます。
また専門家のレッスンや講義を受けに出かけることもいいです。自分で調べてよくわからないことは、勇気を出して質問しましょう。
聞くは一時の恥で、そのようにして得た知識は忘れにくいです。
ある先生のファンになって、その人の著書を集めてみるのも楽しいです。
英語を教えるつながり
レベルアップしたら、初心者に英語を教えてみることも有益です。
相手のためになるだけでなく、自分の理解があやふやだった部分にも気づけます。
また、基礎の再確認、強化にもつながります。
可能な人は、弟や妹の勉強につきあい、息子・娘さんに知っている知識を教えてみましょう。
ちなみに、英語ブログの具体的な書き方は次の記事です。
豆知識
人のやり方に惑わされない。
英語学習という大きな括りは同じでも、学習の目的やペースは人によって千差万別。
だから、人のことは気にせずに自分の勉強を続けていればよい。
英語学習は修行のようで、娯楽のようで、ただのルーティンワークでもある。
人によって、時期によって異なる捉え方があっていいと思う。
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まとめ
長い英語学習の過程で、多くの学習者が感じやすいと考えられる3つのネガティブ感情、「焦り」「退屈」「孤独」に焦点をあてて、私なりに対処の基本を整理してみました。
そういう感情を抱くのは自分だけではないと思うことが大切です。
あきらめず、引き続き英語の勉強を一緒に頑張っていきませんか?
ここで述べたこと以外にも、多様な考え方ができると思います。皆さんの学習過程で新たな対処法を見つけていってくださいね。
気分転換したいあなたのために、面白い英語の絵本を紹介します。ストーリーがとても印象的でした。CD1枚と日本語対訳ガイドがついています。日本語の語りは阿川佐和子さんです。