今回のテーマ:コロケーション
- 作文が不自然な原因は、文法的誤りでなければ、語のつながり方かもしれません。
- ある単語が結びつく単語は、ある程度決まっています。(これがコロケーション)
- これを学べば、素直な英語で表現できます。言葉に対するセンスも磨かれます。
コロケーションとは何か
その定義
コロケーション(collocation)とは、よく見かける単語の組み合わせのことです。
日本語では「連語」といいます。
Cambridge Dictionary にはこう書いてあります。
the combination of words formed when two or more words are often used together in a way that sounds correct:
Cambridge Dictionary
自然な結びつき
言語学の一分野に、コーパス言語学があります。
実際に使われた言語データ(コーパス)を電子化して研究を行います。
それによると、高い確率で共起しやすい語の組み合わせがあるとわかってきました。
語と語のつながりは、ある程度の自由度がありますが、結びつきやすいものもあります。
相性のよい単語が並ぶと、ナチュラルな英語に聞こえます。そして、通じやすくなります。
コロケーションは語呂ケーションなのです。(笑)
不自然な英語で表現しないためにも、コロケーションの知識やセンスが必要です。
どうやって覚える?
ふつうは、多くの英文に触れることで自然にコロケーションの感覚が養われていきます。
それに加え、この記事のように頻出のコロケーションを意識的に覚えていくやり方も有効です。
一語一語バラバラに覚えるのではなく、語のつながりのセンスを感じ取ること。
これがきわめて大切です。
イディオムとの違い
コロケーションとイディオムは、どう違うのでしょうか?
イディオム(idiom)は、複数の単語が組み合わさり新しい意味を生じます。
意味的に言えば、A+B=AB ではなく、A+B=C というイメージです。
コロケーションの具体例
コロケーションのパターンは無数にあります。
今回は、代表的パターンの具体例を見ます。太字の部分がコロケーションです。
基本動詞+名詞
do, have, take, make などの基本動詞と結びつきやすい名詞があります。
使用頻度が高いので、覚えましょう。
do + 名詞
Let’s do exercises together.
訳 一緒に体操をしましょう。
Stop talking and do your homework right away.
訳 話すのをやめて、すぐ宿題をしなさい。
Don’t you think alcohol does harm to your body?
訳 アルコールは体に害を及ぼすと思いませんか?
have + 名詞
They are going to have a party this evening.
訳 彼らは今晩、パーティーを開く予定です。
Did you have an accident at the intersection?
訳 交差点で事故にあいましたか?
Do you have experience at headquarters?
訳 本社での経験はありますか?
take + 名詞
You need to take a train from the nearest station.
訳 最寄駅から電車に乗る必要があります。
May I take photos inside the shrine?
訳 神社のなかで写真を取ってもいいですか?
Take action as soon as possible.
訳 できるだけ早く行動を起こしてください。
make + 名詞
I tried to make friends with someone at the party.
訳 私はパーティーで誰かと友達になろうとした。
He always makes a decision speedily.
訳 彼はいつも迅速に決定を下す。
He made an effort to meet their request.
訳 彼らの要求を満たすために彼は努力した。
似た動詞の使い分け
似た意味の動詞の使い分けは、コロケーションで覚えると効果的です。
文脈的理解というわけです。
よく見かける動詞の区別は、この記事でも触れました。
start と begin の違い
He suddenly started his car.
訳 彼は突然、車を始動させた。
start はカジュアルな言葉で、機械や乗り物などと結びつきやすいです。
It’s time to begin the meeting.
訳 ミーティングを開始する時間です。
begin はフォーマルな言葉で、抽象的な文脈などで使われます。
end と finish の違い
They ended their relationship.
訳 彼らは彼らの関係を終えた。
end は「止まる」イメージ。続いていたものが終わるときに使います。
Have you already finished your work?
訳 もう仕事は終わりましたか?
finish は「完了する」。後には仕事などが来やすいです。
grow と raise の違い
I used to grow plants on the balcony.
訳 昔はベランダで植物を育てていました。
grow は「植物を育てる」。
She worked hard to raise her children.
訳 彼女は子供を育てるために、一生懸命働いた。
raise は「人間や動物を育てる」。
形容詞+名詞
形容詞と名詞の相性の良いコンビネーションの例をあげます。
My company is facing a big problem now.
訳 私の会社は今、大問題に直面しています。
She expressed strong feelings about what he said.
訳 彼女は彼が言ったことに強い感情を表した。
Which one of those is the correct answer?
訳 それらのどれが正しい答えですか?
I like the mountain against the blue sky.
訳 私は青い空を背景にした山が好きです。
A lovely girl standing over there is my daughter.
訳 向こうに立っている可愛らしい女の子は、私の娘です。
He took a quick look at the textbook.
訳 彼は教科書をざっと見た。
強調副詞
強調する副詞は、何を修飾するかで使い分けられることが多いです。
It’s highly unlikely, but I’ll prepare for it.
訳 可能性は低いですが、準備をします。
He was absolutely exhausted by working long hours.
訳 彼は長時間働いて、へとへとになった。
If he can’t get money, he’ll be bitterly disappointed.
訳 もしお金を稼げないなら、彼はひどく失望するでしょう。
The music deeply affected the audience.
訳 音楽は聴衆に深い感動を与えた。
The painting was ridiculously expensive.
訳 絵は途方もなく高かった。
I strongly recommend using this domestic product.
訳 この国産品の使用を強くお勧めします。
こちらの記事では、他の強調の副詞も扱っています。
コロケーションの調べ方
コロケーションを調べられる無料サイトは、Just The Wordというイギリスのサイトです。
調べたい単語を入力して「combinations」のボタンを押します。
すると、入力した単語とつながりやすい単語が表示されます。
つながりやすさの度合いのグラフも出てきます。
それらのコロケーションをクリックすると、なんと例文が出てきます。
便利ですので使ってみてください。
豆知識
名詞 + 名詞 のコロケーションもあります。
たとえば、 surge と anger は共に使われやすいです。
She felt a surge of anger. は「彼女は怒りの高まりを感じた」。
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まとめ
くっつきやすい単語と単語があります。
英文を組み立てるなら、バラバラな単語を一つずつ繋いでははいけません。
単語のまとまりどうしをくっつけます。すると、話すスピードが格段に上がります。
また、リスニングでも、次にどんな単語が来るか予測しやすくなります。
さらに勉強したいあなたのために、便利で使いやすい辞典を紹介します。2500の基本語と使用頻度の高い19000ものコロケーションがのっています。著者は愛知大学の教授です。