今回のテーマ:不確実の表現
- ものごとに対して明確に白黒つけがたいとき、英語ではどう表現しますか?
- この記事では、推量する、曖昧に伝える場合の英語表現を解説します。
- ものごとを断定的に言わず、やんわりと伝えるときにも使えます。
不確実の表現(動詞以外)
推量(助動詞や副詞)
明確な根拠がない場合、確信が持てない場合など、物事を断言できないときがあります。
そういうとき、「かもしれない」と推量しますね。助動詞や副詞を使って表せます。
ちなみに、助動詞の使い方は次の記事でも触れました。
助動詞
It might (may) snow tomorrow.
訳 明日は雪が降るかもしれない。
It could be wrong.
訳 それは間違っている可能性がある。
副詞
Maybe you should stay at home today.
訳 たぶん、今日は家にいたほうがいいかも。
He will probably go abroad next year.
訳 彼は来年、外国へ行くかもしれない。
There is possibly fog around the area.
訳 周辺には霧がかかっている可能性がある。
He is perhaps the last person to make such a record.
訳 このような記録を作るのは、おそらく彼が最後だろう。
大まかな数量
数量などを大まかに言いたいときがあります。
「だいたい」「おおよそ」の意味を表す言葉をあげます。
about the end of April
訳 4月末の頃に
around five hundred years ago
訳 500年くらい前に
1,000 words or so
訳 1,000語ぐらい
approximately the center of the wood.
訳 木材のおおよそ中心
I’ve more or less finished.
訳 だいたい片付けた。
Yes, something like that.
訳 はい、そんな感じです。
something like that は「そんな感じ」。便利な表現です。
kind of の表現
ネイティブがよく使う言葉に、kind of があります。
もともと「~の種類」ですが、「やや・どちらかといえば」とぼかす場合にも使われます。
What kind of music do you like?
訳 どんな音楽が好きですか?
I’m kind of busy.
訳 私はちょっと忙しい。
こんな使い方もできます。
Is he your boyfriend? Kind of.
訳 彼はあなたのボーイフレンドなの? まあね。
ish の表現
I got up at 5-ish.
訳 私は5時ごろ起きた。
reddish「赤っぽい」、coldish「やや寒い」。単語に ish をつけて曖昧にする口語的表現。
vibe の表現
The tea room has a rural vibe.
訳 その茶室には田舎の雰囲気がある。
vibe は vibration から来ていて、「雰囲気、感じ」を表します。
The collaborative atmosphere motivated me.
訳 協力的な雰囲気が私をやる気にさせた。
atmosphere も「雰囲気」です。
chances are
chance は「可能性、見込み」の意味。Chances are ~ で、「おそらく~だろう」。
Chances are someone stepped in my yard last night.
訳 昨夜、おそらく誰かが私の庭に踏み込んだのだろう。
Chances are another store will imitate it.
訳 他の店が真似する可能性もある。
something
Something tells me it will be rainy tomorrow.
訳 明日は雨になる気がする。
Something tells me は「なんとなく~な気がする」。
He found something glowing at the bottom of the stream.
訳 彼は小川の底で何かが光っているのを見つけた。
より詳しい something の使い方は、こちらに記事にまとめました。
副詞の確信度
話し手の確信の度合いを示す副詞があります。基本的なものをあげます。
下に行くほど確信度は下がります。数値はおおよその目安です。
副詞 | 意味 | 確信度の目安 |
absolutely definitely | 絶対に | 100% |
certainly surely | きっと | 90% |
probably | おそらく | 80% |
maybe perhaps | たぶん | 50% |
possibly | もしかすると | 30% |
確信度の低い動詞
suppose, guess, wonder
「~と思う」「~と推測する」など、動詞を使った確信度の低い表現を見ていきます。
I suppose he’s right.
訳 彼は正しいと思う。
suppose は「(自信はないけど)~と思う」。think より確信度が低いです。
I guess this mushroom is toxic.
訳 このきのこは毒があると推測する。
guess は「推測する」。さらに確信度が低いです。
I wonder if it’ll be sunny.
訳 明日は晴れるかな。
wonder if は「~かどうか疑問に思う」から「~かな」の意味になります。
look, sound, appear, seem
「~のようだ」の表現です。「~のように見える」「~のように聞こえる」とも訳します。
よく見かける表現です。
The roads look icy.
訳 道路は凍結しているようだ。
That sounds like a good idea.
訳 それはいい考えのようだ。
There appears to be some mistake.
訳 何か間違いがあるようだ。
It seems like a waste of time.
訳 それは時間の無駄みたい。
応用編
I feel as though the colour of the pond has changed.
訳 池の色が変わったような気がする。
Apparently, she doesn’t like him.
訳 どうやら、彼女は彼のことが好きではないらしい。
理解不能の英語表現
「わからない」の表現
質問されて、わからないときにどうしますか?
率直に知らないことを伝えたほうがいい場合も多いですよね。
英語で「わからない」と表現するのに、I don’t know. は無愛想に聞こえます。
Hard to say.
訳 何とも言えない。
It depends.
訳 それは状況による。(一概には言えない)
I’m not sure I can do it.
訳 私にそれができるかわからない。
I’m not sure は確信が持てないイメージ。
I have no idea what to draw.
訳 何を描いたらよいかわからない。
I have no idea は全然わからないイメージ。
I can’t tell which is which.
訳 どっちがどっちだか、わからない。
I can’t tell は区別がつかないイメージ。
聞き返しの定番表現
理解できない・聞き取れない場合、もう一度言ってもらうには、どうしますか?
テストでは聞き返せませんが、実際の会話ではいくらでも聞き返せます。
完璧に聞き取ろうとする必要はありません。母国語の会話でも、ときには聞き返しています。
Sorry?
Excuse me?
Pardon me?
I beg your pardon?
訳 ごめんなさい、なんて言いました?
これらは定番の表現です。
What’s that?
訳 今、何て言いました?
Could you repeat that for me?
Could you say that again?
訳 もう一度、言っていただけますか?
What do you mean?
訳 どういう意味ですか?
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まとめ
英会話を始めた最初の頃は、私も I have no idea. をよく使いました。
ただ、それを多用すると会話が滞りがちですよね。
自分はどう推測するのか、何がわからないのかなどを言えると、会話が一歩進むはずです。
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