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臨床心理学英語用語入門

会話とは、そもそも何なのか?-その要素と困難さの分析

つばめ
この記事は約9分で読めます。

今回のテーマ:コミュニケーション

  • いつも何気なく行っている「会話」について、たまには考えてみましょう。
  • この記事は「会話」をおもに臨床心理学・異文化理解の観点から考察した文章です。
  • 基本的なことを概観していますので、興味のある人はお読みください。

英会話を楽しむ

Basics of Conversation

このブログでは、英会話に役立つ表現を紹介しています。


会話はふつう言葉を用いて行われます。

言葉の重要性を示したことわざもあります。


The pen is mightier than the sword.(ペンは剣よりも強し)。


もっとも、逆のことが言われることもあります。

Actions speak louder than words.(行動は言葉よりも雄弁)。


外国人と言葉が通じたときは、面白いと感じます。

今まで馴染みのなかった世界とつながり、新しい見方を知ることができます。


そのような会話が成立するためには、ある程度勉強しなければなりません。

漠然と取り組むのではなく、方針を明確にして継続する必要があります。


どんな分野にも言えると思いますが、英語学習では基本が重要です

とくに会話ではわかりやすい表現でテンポよく話すのがいいと思います。


挨拶、あいづち、感謝、謝罪、称賛、ねぎらい、依頼の仕方。

これらは、最初に覚えるとよい基本表現です。


たとえば、依頼と感謝の表現をセットで覚えるのは、実践的です。

その次は、長い文を用いた説明の仕方や感情の表し方を覚えるのもいいでしょう。

Dialogue and Conversation

ところで、英会話は English conversation や conversation in English と表されます。


「人と人とが話すこと」は dialogue と conversation という単語があります。

それぞれ「対話」「会話」と訳されます


どんな違いがあるのでしょう?

以下の引用では、厳密には違いがあると書いてあります。

Dialogue and Conversation are two words that are used in the same sense. Strictly speaking, they should be used in different senses. They are two words that carry different connotations for that matter.

The word ‘dialogue’ is used in the sense of ‘discussion’. On the other hand, the word ‘conversation’ is used in the sense of ‘exchange of ideas’. This is the subtle and main difference between the two words.

differencebetween.com


次に、英会話のもとにある人間の会話の性質について考察しましょう。

会話の基本的性質

Components of Conversation

時間を浪費する会話もあれば、必要な会話もあります。

後味のわるい会話もあれば、愉快な会話もあります。


そもそも、会話とは何でしょうか?


一対一の対面の会話が、会話の基本であると考えられます

一対一だと、誰が誰に話しているかが、きわめて明確です。

Physical exercise

会話は頭を働かせる作業ですが、呼吸や歌唱、体操にも似ています

つまり身体性ということです。

ことばを発声することは、感情を伴った、生き物らしい身体的運動です。


たとえば、声量の程度により、身体的な健康状態を推測することも可能です。

(興奮度の高まり、聴力に難のある高齢者との会話などでも声量は大きくなります)

Relationship and Environment

表現の仕方には、お互いの関係性や環境というコンテキストが反映されます。


相手との仲や上下関係をふまえて、使う言葉の丁寧さを調節します。

相手との物理的距離や声の大きさもそれらに応じて変化します。

部屋の大きさや周囲の人の状況などによっても会話の仕方は変わります。

Etiquette

会話には構造があり、文化ごとに始め方と終わり方の作法があることが多いです。

Verbal interaction

また、会話はキャッチボールの比喩のように、相互的なやりとりです。


相手が話しているときは待って聞きます。相手が話し終えたとき、自分が話します。

表情や身振りなどの相手の反応を受け取り、脱線しないように話す内容を発展させます。

Imagination

言外の意図やイメージを推し量れる想像力も必要になります。


相手が話す内容も、いつもストレートに受け取れるとはかぎらないですよね。

そこに笑いや文学が生じます。

Nonverbal cues

その想像力の根拠として重要なのは、非言語的なメッセージです。


顔つき・視線の交わし方・声の調子・姿勢・動作などがそうです。

それらは、言葉の内容よりも、真実として受け取られることが多いです。

そこに、さまざまな本音が凝縮されている場合もあります。

Conversation Categorized by Purpose

目的別に見た会話の発展形としては、以下のようなものがあります。

Entertainment
(e.g., casual chats with friends, talk shows)
娯楽(友人とのおしゃべり、トーク番組など)

Customer Service Skills
(e.g., sales talk, negotiation techniques)
接客技術(セールストーク、交渉術など)

Instruction and Support
(e.g., teaching methods, counseling)
指導・援助(学習指導法、カウンセリングなど)

Communication and Discussion
(e.g., public speaking, meetings or debates)
発表・議論(演説や情報伝達、ミーティングやディベートなど)

対面しない会話もある

対面の会話以外で重要なものは 2 つあります。

Online Communication

まず、直接面会せず、必ずしも時空間を共有しないオンラインでの会話


メールやチャット、SNSのやりとりなどが典型例です。

現代では若い世代を中心に、このような形態が普及してきています。


遠隔コミュニケーションを手軽に行えて、便利で楽しい側面も多いです

交通費も移動時間も節約でき、海外の人ともつながれます。


しかし、そこには誇張的な表現や偽情報なども増加しています。

他者との比較により劣等感を抱いたり、時間を浪費したりする側面もあります。


そして、視聴覚のみの情報に偏り、他の感覚が不在である事実も見逃せないです。

オンラインの会話では会話の構成要素のいくつかが、制限されるか欠如しています


ただ、情報の手がかりが少ないオンラインのほうが居心地がいい人もいます。

Intrapersonal Communication

また、自己内の会話と見なされるものもあります。


私たちの心のなかでは、思考および感情の言語化という行為があります

相手の受けとめ方を予想して、伝え方を吟味する行為などもあります


それらは言語を用いた自分との対話ととらえることが可能です。

私が専門とする心理療法では、このプロセスも重要なものとなります。

会話が困難になるとき

Communication Breakdown

言い間違いや聞き間違い、言い直しや聞き直しなども、会話にはつきものです

言葉足らずや省略、繰り返しや理解のずれなどもあります。


それで不都合が起きることもあります。

しかし、それらがあるからこそ、リアルな会話らしいともいえます。


Neurosis

神経症的な人は、ささいな言い損ないや、相手の受けとめ方を過剰に心配するかもしれません。


Bottled up feelings

情緒的わだかまりから、言葉を実際以上に被害的にとらえ、反撃する人もいるかもしれません。


Drunkenness

アルコールによる酩酊が進むと、多弁・粗野になり、また朦朧として会話が成立しなくなります。

Difficulty in Expressing Oneself

自分の思いをぴったりの言葉で表現できると嬉しいものです。

語彙が乏しいと、英会話で思いを表現できないつらさを感じます。


子どもや言語理解(VCI)に課題を持つ人も表現の苦悩を感じます


外国語学習は、自己表現の困難さを追体験する機会にもなります。

言語理解(Verbal Comprehension Index: VCI)

ウェクスラー式の知能検査で数値的に測定される指標の一つ。

言語で考える力や、その理解力や表現力、習得した知識などを示します。

会話の病理

Speech and Language Impairments

もっと困難の大きい障害もあります。いくつか例をあげます。


Autism spectrum disorder;ASD

自閉スペクトラム症では、気持ちの交流が難しく、不測の事態や情報量の多さに弱いです。


Attention-deficit hyperactivity disorder;ADHD

注意欠如多動症では、相手の話に割り込んだり、話題がころころ変化したりしがちです。


Schizophrenia

統合失調症では、「言葉のサラダ」の現象から、まとまりがなく意味が取れないことがあります。


Aphasia

失語症では、言葉が出ない、間違った言葉が出る、言葉が不適切に反復されることがあります。


Major neurocognitive disorder (Dementia)

認知症では、代名詞の多さ、聞き取りにくさや忘却、複雑な内容の把握困難が見られます。

Persons with Support Needs

会話がスムーズにいかないとき、原因の特定が難しいケースもあります。


相手のほうに原因があるのか、経験や練習の不足が原因なのか。

緊張や疲労が原因なのか、何らかの精神障害があるのか。


安易に障害のせいにできないのは当然です。

しかし、障害が見逃されることも、あってはならないことです

支援が必要と思う人は自己判断はせず、専門医にご相談ください


意思疎通が思うようにいかない生活は、たいへん苦労が多いでしょう。

会話に困難をきたしている人々に、支援が届くことを願います。

Intercultural Communication の困難さ

病理・障害的なこととは別に、異文化コミュニケーション特有の困難さもあります


異なる文化的背景にある人々は、同じことを違う表現で表すことも多いです。

また、同一の表現に対する解釈の仕方も変化してきます。


文化特有の表現・解釈の仕方があり、次の世代に継承されていきます。

人間の認知や感情に生得的で普遍的な基礎があるにしても。


文化特有の要因は、その文化のなかに生きる人には必ずしも意識されません。


外国語学習では、文化的な慣習を体系として自覚的に学ぶことが必要です


たとえば、日本人が英文法を一通り学ぶのは、こういう事情からでしょう。

参考文献

大橋理枝・根橋玲子(2019) コミュニケーション学入門 放送大学教育振興会 

藤野博(2023) 自閉症のある子どもへの言語・コミュニケーションの指導と支援 明治図書

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まとめ

英会話がうまくいかないとき、原因を考えます。

英語力の問題なのか、コミュニケーション能力の問題なのか。

たんに英語の練習不足とか、国語力の不足の場合もあるでしょう。


世の中には、基本的な意思疎通に困難を抱えている人もいます。

そのような人にとっては、会話が重荷と感じられることがあります。

周囲の人の正しい理解や温かい配慮も必要になってきます。

プロフィール写真本橋英之 54歳. 男性. 日本大学大学院修了. 臨床心理士. 公認心理師.
翻訳者(臨床心理・精神医療分野, ProZ.com内認定プロNo.4309903)
当初は淡々と英語を学ぶだけのブログでした.
最近は, 翻訳の国際的な活動も開始できました.
このブログが皆様のお役に立てば幸いです.
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