今回のテーマ:限定用法と叙述用法
- 英語の形容詞の使い方には、二つの用法があります。
- この記事では限定用法と叙述用法で意味が異なる形容詞を例文で解説します。
- 例文を読んで正しく意味がつかめれば、まずはOKです。
英語の形容詞の使い方
形容詞とは何か
It’s a sunny day, so we can exercise outside.
訳 今日は晴れているから、外で運動できる。
sunny day の sunny のように、名詞の性質を表す言葉があります。
名詞がどんなものかを説明する言葉を、形容詞といいます。
基本的な形容詞の使い方は次の記事にまとめてあります。
限定用法と叙述用法
英語の形容詞には2通りの使い方があります。
- 形容詞の限定用法とは、修飾する名詞の前後に形容詞が置かれる場合です。
interesting book や something interesting のような形ですね。 - 形容詞の叙述用法とは、SVC や SVOC の C(補語)に形容詞が置かれる場合です。
She is happy. や Her smile makes me happy. のような形です。
限定用法でしか使われないものは、only, mere, very など。
叙述用法でしか使われないものは、afraid, aware, glad など。
用法で意味が違う形容詞
同じ形容詞でも、限定用法と叙述用法で意味が異なる場合があります。
今回紹介するのは、これらの形容詞です。これから、よく見かけるものを確認しましょう。
able
An able person like him would achieve that big dream.
訳 彼のような能力のある人なら、その大きな夢を実現するでしょう。
I was able to buy the ticket everyone wanted.
訳 みんなが欲しがっていたチケットを買うことができた。
apt
I guess what you said is an apt description.
訳 あなたが言ったことは、適切な表現だと思います。
They are apt to say that humility is the best policy.
訳 彼らは謙虚さが最善の策であると言いがちです。
certain
I gave him a certain amount of money last year.
訳 私は去年、彼に一定の金額を渡しました。
It’s certain that you promised to do anything you can for her.
訳 あなたが彼女のためにできることは何でもすると約束したことは確かです。
fond
You just have a fond fantasy about your future.
訳 あなたは自分の将来について甘い幻想を抱いているだけです。
限定用法の fond は「優しい・甘い」の意味。
My wife is fond of talking on the phone for a long time.
訳 私の妻は、長い時間電話で話すのが好きです。
ill
I’ve heard of the ill news that something happened to him.
訳 彼に何かあったという悪いニュースを聞いた。
She has been ill in bed since three days ago.
訳 彼女は3日前から病気で寝込んでいます。
late
My late grandfather told me that the war had been disastrous.
訳 亡くなった祖父は戦争は悲惨なものだったと私に語った。
late January (1月下旬)などの表現では、「下旬・遅い時期の・後期の」の意味。
It’s too late to bring the situation under control.
訳 事態を収拾するにはあまりに遅い。
叙述用法では「故・亡くなった」にはなりません。
present
Please write down your present address.
訳 現在の住所を書いてください。
Quite a few people were present at the presentation.
訳 発表会にはかなり多くの人が参加していました。
proper
You can explain by inserting the proper example here.
訳 ここに適切な例を挿入して説明することができる。
This unusual dialect is proper to the local area.
訳 この珍しい方言は、この地方独特のものである。
responsible
I have taken a responsible position since then.
訳 それ以来、私は責任の重い立場にあります。
Your side is responsible for an error.
訳 あなたの側にエラーの責任があります。
right
If you agree, raise your right hand.
訳 同意される方は、右手を挙げてください。
You were right about that.
訳 あなたの言う通りでした。
叙述用法では「右の」にはなりません。
sorry
What I saw on the street yesterday was quite a sorry sight.
訳 昨日通りで見たのはかなり悲しい光景でした。
I’m sorry to have bothered you again.
訳 またご迷惑をおかけして申し訳ございません。
vain
She is afraid that it will end up being a vain effort.
訳 彼女は、それが無駄な努力に終わることを恐れている。
She is vain about the fact that this result comes from her talent.
訳 彼女はこの結果が自分の才能によるという事実にうぬぼれている。
名詞の後に置く限定用法
一語の形容詞でも名詞の後に置かれる限定用法があります。一語の後置修飾といいます。
こういう使い方をする形容詞は、慣用的にだいたい決まっているようです。
All the members present applauded her beautiful singing.
訳 その場にいたメンバー全員が、彼女の美しい歌声に拍手を送った。
Lack of stock available, we need to order from another manufacturer.
訳 在庫がないため、他のメーカーに注文する必要があります。
This story is one of the best futures imaginable.
訳 この物語は、想像しうる最高の未来のひとつだ。
These customs have existed since time immemorial.
訳 このような習慣は太古の昔から存在していた。
Contrary to their expectations, he finally became Attorney General.
訳 彼らの予想に反して、彼はついに司法長官になった。
豆知識
複合形容詞の使い方。
ready-made, good-looking などの形をした複合形容詞。
これらは、限定用法での使用が圧倒的に多いです。
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まとめ
限定用法と叙述用法の違いをまず理解しましょう。
その二つの使い方により意味が変わる形容詞を見てきました。
これらの基本語に関して、例文ですぐ正しく意味がつかめるようにしましょう。
さらに勉強したいあなたのために、英語形容詞の語感がわかる一冊を紹介します。使い分けるヒントが得られます。著者はNHKラジオ英会話でもお馴染みのポール・マクベイ、大西泰斗の両先生。