今回のテーマ:数量表現
- 今回は英語の数量の表し方の基本を、項目にわけて簡潔に解説します。
- 数字を添えて話すと、話す内容が具体的で明確になります。
- 間違いなく正確に伝えるために、知っておきたい数量表現を確認しましょう。
数量表現の基本を学ぶ
「数量」は英語で quantity といいます。
the amount or number of something, especially that can be measured:
Cambridge Dictionary
では、数量の表し方を見ていきましょう。
ケタの大きい数
The bill shows a total of JPY 234,000.
訳 請求書には総額234,000円と記載されている。
JPYは、日本円の通貨コードのことです。
大きい数字は日本語では 4 ケタ、英語では 3 ケタごとに区切って考えるところが相違点です。
日本語から英語に、英語から日本語にすぐに換算して言い換えるの難しいことですね。
million は 100万、billion は 10億、trillion は1兆になります。
次は数字の読み方の例です。
10,000 | ten thousand | 1万 |
580,000 | five hundred and eighty thousand | 58万 |
34,000,000 | thirty-four million | 3400万 |
7,000,000,000 | seven billion | 70億 |
2,000,000,000,000 | two trillion | 2兆 |
多い少ないの表現
many, much, a lot of
many, much, a lot of, lots of は、使い方にどのような違いがあるのでしょうか?
- many は可算名詞(数えられる名詞)の複数形とともに。
- much は不可算名詞(数えられない名詞)とともに。
- a lot of, lots of は可算名詞・不可算名詞のどちらにも。口語的な表現です。
- lots of のほうが a lot of より、もっと口語的です。
もし、many か much かで迷った場合は、a lot of と言っておけば間違いないです。
many か much を使う場合 | a lot of, lots of を使う場合 | |
可算名詞 | many books | a lot of books, lots of books |
不可算名詞 | much water | a lot of water, lots of water |
a few, a little と few, little
a few, a little と few, little はどう使い分けたらいいでしょうか。
- a few, a little は「少しの」。それぞれ可算名詞、不可算名詞に使います。
- few, little は「ほとんどない」。それぞれ可算名詞、不可算名詞に使います。
a がつく場合 | a がつかない場合 | |
可算名詞 | a few books | few books |
不可算名詞 | a little water | little water |
number と amount
the number of は「~の数」、the amount of は「~の量」です。
数量 | 少ない/多い | |
可算名詞 | the number of desks | the small/large number of desks |
不可算名詞 | the amount of oil | the small/large amount of oil |
ちなみに、a number of は「いくつかの~」「たくさんの~」の意味になります。
quantity は、number や amount よりもフォーマルな表現です。
a quantity of や quantities of は、可算名詞と不可算名詞のどちらにも使えます。
他の数的表現
不可算名詞の数え方
英語の名詞には、可算名詞と不可算名詞があります。
可算名詞は five books のように、名詞の前に数を表す単語をつけて数を表すことができます。
一方、不可算名詞を数える場合は、次のように表現します。
a piece of paper | 1枚の紙 |
a cup of tea | 1杯の紅茶 |
a teaspoonful of salt | 小さじ1杯の塩 |
a truckload of feed | トラック1台分の飼料 |
another cup of coffee | もう1杯のコーヒー |
two glasses of wine | ワイン2杯 |
five boxes of chocolate | チョコレート5箱 |
eight cans of juice | ジュース8缶 |
カテゴリー(順番)分け
カテゴリーや章立て、バージョンなどにも数字(記号)が使われますね。
多くの場合、日本語とは語順が逆になる感じです。
数字を使うもの
Hurricane Erin, a category 5 storm, brought heavy rains.
訳 カテゴリー5の暴風雨、ハリケーン・エリンが大雨をもたらした。
The secret of its origin will be revealed in Chapter 2.
訳 その発祥の秘密は、第2章で明かされる。
For version 3.0, we are planning a major overhaul.
訳 バージョン3.0では、大幅な見直しを計画している。
Route 209 is known as the artery to the center of the city.
訳 国道209号線は市の中心部への大動脈として知られている。
記号を使うもの
In terms of durability, Type A is superior to Type B.
訳 耐久性という点では、AタイプはBタイプより優れている。
Is it simply because he belongs to Generation Z?
訳 それは単純に彼がZ世代だからなのか?
数量表現をさらに学ぶ
数量の略式表現
数量の略号を紹介します。業務上の書類を理解するのに便利です。
q’ty (qty) | quantity |
ea | each |
pc | piece |
set | set |
y (yd) | yard |
lb | pound |
「以上、以下」
日本語で「X以上」「X以下」というと、Xが含まれますよね。(Xには数字が入ります)
Xを含まない場合は「X超」とか「X未満」と言います。
英語ではどう表現するのでしょうか。
上方 | 下方 | |
Xが含まれる | X or more X or above X or over →日本語訳は「以上」 | X or less X or below X or under →日本語訳は「以下」 |
Xが含まれない | more than X above X over X →日本語訳は「超」 | less than X below X under X →日本語訳は「未満」 |
「予想を上回った」と言いたいときは、どうしますか?
My exam result was better than expected.
My exam result exceeded expectations.
訳 私の試験の結果は予想を上回った。
「上回る」は比較級や exceed などの動詞を使って表せます。
「加減乗除」
足し算、引き算、掛け算、割り算の計算を英語で表現します。
日本語 | 英語 | 計算式 |
足し算 | addition | 1 plus 2 equals 3 |
引き算 | subtraction | 2 minus 1 equals 1 |
掛け算 | multiplication | 2 multiplied by 2 equals 4 |
割り算 | division | 8 divided by 4 equals 2 |
「何倍」
「何倍」を英語で表現する場合です。
It would cost twice as much as that.
訳 そうすると、その2倍の値段がかかる。
twice は「2倍」。
The new machine is seven times as fast as the old one.
訳 新しい機械は古いものより、7倍速い。
数詞 + times で「〇倍」。
The price of timber will double over the next two years.
訳 材木の値段は、今後2年間で2倍になるだろう。
double という動詞は「2倍になる」。
The population of the city tripled last year.
訳 その都市の人口は去年3倍になった。
triple という動詞は「3倍になる」。
「全て」「各」
- 3つ以上の「すべて」は all を使います。
- 2つ以上の「それぞれ」は each、3つ以上の「それぞれ」は every を使います。
each のほうが every よりも、一つ一つ個別に意識する度合いが強いです。
All of them are surprised. / They are all surprised.
訳 彼らはみんな驚いている。
all は be 動詞の後に置かれることも。
We all agree with you.
訳 私たちはみんなあなたに賛成だ。
all は一般動詞の前に置かれることも。
All the members of the club took part in the event.
訳 クラブのメンバーはイベントに参加した。
the all members という語順にはなりません。
The board member of each year are as follows:
訳 各年の役員は以下のようです。
each の次に続く名詞は単数形。
We attend the convention every year.
訳 私たちは毎年大会に出席する。
every の次に続く名詞も単数形。
all のより詳しい記事はこちらです。
「~の一つ」
「one of the 複数名詞」の例です。
「多くあるもののうちの一つ」の意味なので、後の名詞は複数形にする必要があります。
Nagano Prefecture is one of the top apple producing areas in Japan.
訳 長野県は日本有数のリンゴの産地である。
This is one of the park’s most popular attractions.
訳 これは、この遊園地で最も人気のあるアトラクションの一つである。
This ear pick is one of the best pieces of work in the world.
訳 この耳かきは、世界で最も優れた作品の一つである。
「だけ」
just, only のイメージの違い
「~だけ」は、just か only なのか迷いませんか?
イメージをつかんでおくと、便利です。
- just は「過不足なくちょうどきっかり」
- only は「これのみ(他は違うんだよ)」
日本語だと「~だけ」と訳が同じでも、微妙な意味の違いがあるのです。
この違いを意識すると、相手の言いたいことがはっきりしてきます。
just
The ones you see are just a hundred dollars.
訳 ご覧のものは100ドルぽっきり。
Would you like another cup of tea? OK, just one more.
訳 もう一杯お茶はいかがですか。はい、もう一杯だけ。
It is just a joke.
訳 それは冗談にすぎない。
only
He paid me only 500 yen for the work.
訳 彼はその仕事に対して、500円しか払ってくれなかった。
He was the only person who was dressed casually.
訳 カジュアルな格好をしていたのは彼だけだった。
He speaks not only English but also Chinese.
訳 彼は英語だけでなく中国語も話す。
【補足】「そうするしかない」
何かをするときに他の選択肢がない場合があります。
そういう状況では、「そうするしかない」「そうせざるを得ない」と日本語で言います。
英語ではどうでしょうか。必ずしも only を使わなくても表現できます。
定番表現を見ましょう。
The only thing I can do is (to) wait.
訳 待つことしかできない。
to が取れて原形不定詞になることがあります。
We have no choice but to do so.
訳 私たちはそうするしかない。
I can’t help feeling anxious about it.
訳 それを心配しないわけにはいかない。
豆知識
日本語では「正」の字を使って数をカウントします。英語では?
tally
意味 勘定、計算、得点
日本では数を数えるときに、5画の「正」の字を書きます。
英語では、縦棒4つに貫通するように横棒1つを書きます。
これは tally と呼ばれます。
「残り~日」の表現。
10 days to go
意味 残り10日
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まとめ
算数や数学の内容を英語でどう表現するか、外国人に教えてもらったことがあります。
当時は詳しく学んだことがなかったので、難しいと感じました。
仕事で英語を使う人は、数量の表現に慣れておくことが必要です。
もっと数量表現を練習したい人のために、数字・単位・計算などの聞き取り・読み取り・書き取りに強くなる実践的なトレーニングブックを紹介します。著者は英語講師や通訳などをされています。