- 英語で人の発言を伝言する方法は 2 通りあります。直接話法と間接話法です。
- この記事では、話法の書き換え問題を通して理解を深めます。
- 時制の一致も確認しましょう。話者によって、here が there に変わり、yesterday が the day before に変わります。
英語の話法の書き換え
話法とは何か
「Aさんががこんなことを言っていたよ」とBさんがCさんに伝言したいときがあります。
こういう場合、表し方は2通りあります。
- Aさんの発言をそのまま引用符(クォーテーションマーク)の中に入れて、Aさんが話した通りの言葉でBさんが伝える方法 (直接話法)
- 伝言するBさんの立場からAさんの話した内容を伝える方法 (間接話法)
直接話法は人の発言を加工せず、もとの形のまま伝えられます。しかし、場合によってはBさんが意味も考えずにAさんの発言を真似ている印象をCさんに与えます。
間接話法は、伝言するBさんが理解したことを、Cさんに伝えている感じです。
〇直接話法のイメージ
動詞の選択
say と tell の使い分け
「~が~と言った」などの場合、say や tell が使われます。
say は said だけでも使えますし、said to me のように、誰に言ったのかを伝えられます。
tell は told me のように必ず伝える相手を示さなければなりません。
直接話法では say を使うことが多く、間接話法では tell が多いですが say も使えます。
その他の動詞を使う場合
直接話法の引用符の中が疑問文のときは、間接話法にすると ask が用いられます。
他にも、直接話法の引用符の中が命令・提案・願望・感嘆などを表す場合に、それらにふさわしい動詞を選びます。具体例は練習問題で示します。
時制の一致
時制の一致とは、主節の動詞の時制に従属節の動詞の時制を合わせることです。
直接話法を間接話法に直す場合に、最も注意しなければならない点です。
伝える人の視点
直接話法のセリフの中で使われた I とか her とか him などの人称代名詞は、間接話法では伝える人の視点から書き直す必要があります。
また、直接話法のセリフの中で使われた this などの指示語や時・場所を表す言葉も、間接話法では伝える人の視点から書き換える必要があります。
たとえば、直接話法のセリフの中で today という言葉が使われていても、間接話法の話者がその数日後の未来に語っている場合は、today は that day になります。
第1問 時制に注意
では、さっそく問題を解きましょう。
上の段(青い色)の直接話法を間接話法に直してみてください。
He said, “This situation made me nervous.”
訳 「この状況は緊張する」と彼は言った。
答え He said that that situation had made him nervous.
訳 その状況で緊張したと彼は言った。
this は that に。made は had made に。me は him になります。
第2問 場所・時間
My teacher said to me, “I explained the problem here three months ago.”
訳 「3ヶ月前にここで問題を説明しました」と先生は私に言いました。
答え My teacher told me that he had explained the problem there three months before.
訳 3か月前にそこで問題を説明したと先生は私に言いました。
said to me を told me that に。I を he に。explained を had explained に。here を there に。ago を before にします。
第3問 未来を表す文
She said, “I will go shopping at the mall tomorrow.”
訳 「明日はモールに買い物に行きます」と彼女は言った。
答え She said that she would go shopping at the mall the next day.
訳 次の日にモールに買い物に行くと彼女は言った。
I を she に。will を would に。tomorrow を the next day に。
第4問 疑問詞の疑問文
I said to her, “Where did you meet him yesterday?”
訳 「昨日どこで彼に会いましたか?」と私は彼女に言いました。
答え I asked her where she had met him the day before.
訳 前日にどこで彼に会ったのかを私は彼女に尋ねた。
said to her を asked her に。did you meet を she had met に。
yesterday を the day before に。
第5問 Yes/No 疑問文
The young man with a cap said to me, “Is the rock concert over?”
訳 「ロックのコンサートは終わったの?」と帽子をかぶった青年が言いました。
答え The young man with a cap asked me if the rock concert was over.
訳 ロックのコンサートが終わったかどうかを帽子をかぶった青年が私に尋ねました。
said to me を asked me if に。
第6問 命令文
The policeman said to him, “Don’t park your car in this area.”
訳 「あなたの車をこの区域に駐車しないでください」と警官は彼に言った。
答え The policeman told him not to park his car in that area.
訳 その区域に彼の車を駐車しないように警官は彼に言った。
said to him を told him not to の形に。this を that に。
第7問 提案する文
The instructor said to us, “Let’s dive into the sea!”
訳 「海に飛び込もう!」とインストラクターは私たちに言いました。
答え The instructor suggested to us that we should dive into the sea.
訳 インストラクターは私たちに海に飛び込むことを提案しました。
said to us を suggested to us that ~ should の形に。
第8問 不平不満の文
She said, “How messy his room is!”
訳 「彼の部屋はなんて散らかっているの!」と彼女は言いました。
答え She complained about how messy his room was.
訳 彼の部屋がすごく散らかっていると彼女は不平を言った。
said を complained about に。is を was にします。
第9問 願望を表す文
My parents said, “We hope you will come back home safely.”
訳 「私が無事に帰宅することを望んでいる」と両親は言っていました。
答え My parents expressed their hope that I would come back home safely.
訳 両親は私が無事に帰宅することを望みました。
said を expressed their hope that の形に。will を would に。
第10問 感謝の文
They said to me, “Thank you for your cooperation.”
訳 「ご協力ありがとうございます」と彼らは私に言った。
答え They thanked me for my cooperation.
訳 彼らは私の協力に感謝しました。
said to me を thanked me for に。your を my に。
豆知識
過去形がない助動詞もある。
need, should, must, had better, used to などには過去形がありません。
His uncle said there used to be a small book store in front of the station.
訳 彼の叔父は、かつて駅前に小さな本屋さんがあったと言った。
この文では、used to の形は変わりません。
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まとめ
人に伝言する英語表現は、直接話法と間接話法の2つです。
- もとの人の発言をそのまま伝えられる直接話法
- 伝言する人の視点から伝える間接話法
それぞれのメリットを使い分けられるようになりたいものです。
その際、時制の一致のルールはよく把握しておきましょう。
さらに勉強したいあなたのために、英語の時制の一致に関する研究本を紹介します。先行研究も含め、専門的議論を知ることができます。著者は津田塾大学の名誉教授の方です。