- 特定の形容詞の後に、決まった前置詞をつけることがあります。
- この記事では英語の「形容詞+前置詞」の慣用句の基本を解説します。
- 前置詞の選択には、何らかの理由もあります。しかし、理屈を深追いせず、イディオムとして慣らすのが早道です。例文のまま覚えましょう。
「形容詞+前置詞」の結合
英語のイディオムはたくさんあります。たとえば、三省堂 英語イディオム・句動詞大辞典には圧倒的な数のイディオムや句動詞がのっています。
とくに覚える価値があるのは、動詞や形容詞が特定の前置詞と結びついた慣用表現です。
今回は、形容詞と前置詞の慣用的な結びつきの基本を取り上げます。
- 「be動詞+形容詞+前置詞」が通常です。
- 「be動詞」の位置に動詞(feel, become, look など)が入ることもあります。
ちなみに、基本動詞と前置詞の結合は、こちらの記事を。
形容詞によっては複数の前置詞と組み合わさり、多様な意味を表します。
その例から説明していきましょう。
基本形容詞と前置詞の使い分け
anxious about と anxious for
She feels anxious about his health.
訳 彼女は彼の健康を心配している。
anxious about は「~を心配している」。
He’s anxious for wealth.
訳 彼は富を切望している。
anxious for は「~を切望している」。for の追い求めるイメージです。
familiar to と familiar with
The singer became extremely familiar to everyone.
訳 その歌手は、皆に非常に親しまれるようになった。
familiar to は「~に親しまれている」。
Are you familiar with modern art?
訳 あなたは現代美術に精通していますか?
familiar with は「~に詳しい、~をよく知っている」。
angry about と angry with(at)
What on earth are you angry about?
訳 いったい、何に対して怒っているのですか?
about ですので「~に関して」のニュアンスです。
She was angry with him for being late.
訳 彼女は遅刻したことで彼に怒っていた。
angry with でも angry at でもだいたい同じ意味。with の後には「人」が来ます。
at のほうが「~をめがけて」のニュアンスがあり、強い感じです。at の後には「人の言動」などが来るようです。
true of と true to
That is true of several cases.
訳 それは、いくつかのケースに当てはまります。
true of は「~に当てはまる」。
You are always true to yourself, aren’t you?
訳 あなたはいつも、自分自身に忠実ですよね。
true to は「~に忠実である」。
基本形容詞と前置詞の組み合わせ
for を使う形容詞
We are ready for dialogue.
訳 私たちは対話の準備ができています。
I’m sorry for not having written sooner.
訳 もっと早く書かなくてごめんなさい。
The mountain is famous for the beautiful colored leaves.
訳 この山は、美しい紅葉で有名です。
You aren’t responsible for what he did.
訳 彼がしたことについて、あなたには責任がありません。
of を使う形容詞
My daughter is afraid of strangers.
訳 娘が知らない人を怖がっています。
Even if it is true, I’m sure of success.
訳 例えそれが真実であっても、成功を確信している。
of の代わりに about のときも。
They are certain of the truth of his story.
訳 彼らは彼の話が本当だと確信している。
of の代わりに about のときも。
Are you clearly aware of this issue?
訳 あなたはこの問題を、明確に認識していますか?
You have to read a newspaper because you are ignorant of the world.
訳 新聞を読まなければならないのは、あなたが世の中を知らないからです。
Those two sections are perfectly independent of each other.
訳 その2つのセクションは完全に独立しています。
What he said is certainly worthy of admiration.
訳 彼の言ったことは確かに賞賛に値します。
from を使う形容詞
His works are totally different from others.
訳 彼の作品は、他の作品とはまったく異なります。
to を使う形容詞
This one is slightly similar to that one.
訳 これはあれに少し似ている。
at を使う形容詞
The student looks good at drawing.
訳 この学生は絵を描くのが上手そうですね。
in を使う形容詞
I heard that he was successful in the difficult exam.
訳 彼は難しい試験に成功したと聞いた。
on を使う形容詞
He is still dependent on his parents.
訳 彼はまだ両親に依存しています。
豆知識
「be 形容詞 of」の形。
be full of ~に満ちている
be fond of ~が好きである
be proud of ~を誇りに思う
本文にあげたものの他に、こんな基本もあります。
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まとめ
今回は基本的なものを見ました。形容詞と前置詞の組み合わせは、他にもあります。
アウトプットする練習の繰り返しによって、前置詞のセンスが磨かれます。
さらに勉強したいあなたのために、英熟語の本を紹介します。型に分類されており、今回取り上げたような「be +形容詞+前置詞」の型もあります。似たパターンの前置詞を効率的に覚えられます。Z会出版の本です。